脳卒中のような病気では、病気が発生した時点が、症状のピークで、その時点で表れた麻痺を基準にリハビリのメニューが組まれると 思うのですがSCDのような進行性の神経疾患は、病名の告知当初は多少のふらつきはあっても日常生活を送るのに支障がさほどない事が 多いのではないでしょうか。従って、リハビリをどのように考えるかということが非常に大切になってきます。
リハビリというと病院や専門施設で行うと思いがちですが、SCDのように徐々に色んな事をするのが困難になって支障が起こる 病気は日常生活の中にリハビリ的要素を意識的に組み込む事が大切になります。 今私はこの意識が非常に重要ということを痛感すると伴に、この事にもっと早く気づけばよかったと思っています。
気づいていないだけで、日常生活の中にはかなり高度なリハビリ要素が入っています。屋外に出ることまで含めるとそれは無限です。 かなり高価なリハビリ器具をいくつも導入した施設でも及びません。スーパーでの買い物を想像してください。カートを押しての 買い物でも大変です。商品を見ながら歩いて(同時に二つの事をしながら)、周囲に注意を払わなければいけません。 相手が除けてくれるとは限りませんから、立ち止まったり、こちらが除けたり、狭い場所を横になって歩く事もあるでしょう。 中腰になったり、目線よりも高いところのものをとったりと要素を上げるとキリがありません。
こんなにもたくさんの要素を盛り込んだリハビリはありません。例え、外にでなくても家の中にはリハビリ的要素がたくさんあります。 勿論、屋内・外伴に転倒等のリスクは伴います。リスク・ケアをしながら在宅での生活を継続する。 そのこと事態がリハビリに繋がっている訳です。「リハビリのために入院したものの、却って状態が悪化したように思う」と言う話を 聞いた事があります。SCDという病気は、使わなければ使わないほど、まるで記憶でも薄れるようにどんどん機能が 低下していくようですから、少々リハビリを行っても、ある意味「至れり尽くせり」の病院に居ては、 状態が悪化することもあるだろうと思います。
ですから、「どんなリハビリがいいですか?」と聞かれたら、転倒などのリスクに注意しながら、出来るだけそれまでの生活スタイル を継続しながら、機能低下にあわせた段階的リハビリを生活の中に取り入れる事とお答えします。 出来る限り、モノや人に頼らず、それまでの生活を継続する事、お勤めの方は勤務を継続する事・主婦の方なら家事を継続される事 それに勝るリハビリはないと私は思います。転倒などのリスクに注意を払うあまり、危険を回避して動きに制約を設けられる方が おられますが、そのこと事態が機能低下に繋がりかねないと私は思っています。