歩行能力の獲得

<歩行のためのアドバイス>

私は「ストレッチとイメージを重視した運動療法で歩行のプログラミングを脳に再構築させて 筋肉や骨格をコントロールする学習を繰り返す」ことで歩けるようになりました。 それで、時々人からアドバイスをお願いします、とよく言われます。途端に返答に窮してしまいます。

以上のような理由で、私がやってきたリハビリは極めて私の個人的事情を加味したものですから万人に通用すると 思っていません、寧ろご本人からの情報を貰いながら、試行錯誤しながら進めることになります。
引力に抗う
足腰の弱い高齢者や車椅子で過ごす時間の 多い人には、周囲の安全を確保した場所で、「立つこと」、寝たきりの人には「座ること」を勧めます。健康な人は感じないでしょうが 、引力に抗って身体を支えるだけで、結構負荷がかかります。負荷がかかると脳はそれに耐えるだけの骨や筋力をつけようと 指令を関連する部署に出すようになっているようです。スクワットや屈伸を加え、負荷をプラスするのはもっと先の段階です。身体を支えるだけの十分な 筋力がついていないと、どんな動作も弱い筋力をカバーするために、ありえない筋肉の使い方や歪みを生じます。そんな状態で スクワットや屈伸をしても意味がありません。要は正しく立ち・座ること、そして徐々に時間を延ばしていけばいいのです。 スクワットや屈伸までには、まだまだ積み重ねる事、やるべきことがたくさんあります。

「人の体熱の40〜80%は、筋肉を動かす事で作られ、 その筋肉の70〜80%は下半身に集中しているそうです。筋肉が収縮する時には必ず 熱を出します。 筋肉を使わない状態が慢性化している場合は、低体温になる可能性が高いことになります。 低体温になると新陳代謝が鈍くなり、内臓や神経など身体全体の機能も低下します。 例えば内臓の活動を支えている消化酵素の働きは、体温が1℃下がると50%も低下し、胃腸や肝臓、腎臓などの働きが 弱まるようです。」(http://www.shionogi.co.jp/wellness/special/special0512/)人の身体は体温が上がることよりは、 下がることへの適応力がないようです。 車椅子での生活や寝た状態が長く続く事は、それ自体では生命の危機につながる事はないでしょうが 上述したような事情から免疫機能の低下や臓器の働きの低下を招き、生命危機に直面する事も少なくないようです。

防御本能の働き
PTさんが私の身体に触れて、歪みを直そうとすると「崩されまい」という無意識な作用が働いて 却って動作が不自然になってしまいます。今ではPTさんに正しい身体の動きと私の動きを真似て見せてもらうようにしています。 どうやら人の身体には「崩されまい」とする無意識の本能が働いているようです。ですからPTさんに動作してもらって、 自分の意志でそれを真似るように身体を動かすと抵抗が働きません。自分の意志で動作する事がいいようです。

しかし、理屈では解っていても身体がそうならない事が多々あります。 例えば、歩行の時に「視線を上げて胸を張る」「腰を引かない」「手を泳がせるのでなく、前後に振る」などは解っていても 身体が拒否をしてしまいます。そして転倒などで一度恐怖心を持つと足も身体も硬くなってしまいます。 歩く事は、いろんな事の上に成立しているようですから長い時間と積み重ねと繰り返しが必要です。
制度を使ったリハビリ
医療費の公費負担制度が適用される45の疾患(http://www.pref.osaka.jp/chiiki/shippei/tokutei/ nanbyo/nanbyo/tokutei%20taisyousikkanitirann.html) について医療保険及び介護保険法の規定による訪問看護、訪問リハビリテーション については自己負担分が公費で負担されますので、それを積極的に使ったリハビリをお勧めします。 簡単に言うと、45の病気については訪問看護・訪問リハビリテーションを医療保険を使って受けると 自己負担がナシという制度です。実はケアマネージャの方でもでこの事をご存知でない方が多いのです。 訪問看護というと医療行為を連想しがちですが、散歩もしてもらえます。転倒の不安や一人の歩行が困難な人には 、訪問看護婦さんに付き添ってもらって屋内・外の歩行を勧めます。理学療法士・作業療法士の訪問リハビリテーションを 使っても歩行できますが、私は歩行状態のチェックを理学療法士さんに、 歩行の課題を身体に覚えこませるのに、時間的に余裕のある訪問看護婦さんとの時間に使い分けています。 介護保険の身体介護を利用して、ヘルパーさんと散歩をするのも以前は可能だったのですが、今は認められていないようです。 同様にヘルパーさんとの買い物も利用者の日常生活必需品に限定されたようです。
ここに書かれた事は病気や障害の改善を保障するものではありません。 又、行為中の事故・アクシデント等について一切の責任を負うものではありませんので 自己責任に基づき注意して行ってください。