福祉具とリハビリ

福祉具は障害を持つ人間にとってなくてはならないものですが、マイナスの面もあるのでそのためのリハビリが必要な事を 見落としがちなのが気になっています。

例えば、私は末梢神経障害という病気もあって、手足の感覚が殆どないので、SCDの人とは異なる事情もプラスして箸使いが上手に操れ なくて、食事にはフォークとスプーンを使っています。以前はなるべく箸を使うようにしていました。 寒い日が何日か続いて、全く箸が使えず、フォークとスプーンだけを使う日が続きました。 何日か経って、箸を使おうとすると以前にまして時間はかかるし、上手く操れなくて諦めてしまいました。

通常、箸は薬指で支え、中指を梃子のように使って人差し指を動かします。そしてその時にその動作を安定して支える役目が 手首を背屈させる筋肉で、それを更に支え固定するのが肩であり腹筋・背筋と繋がっているようです。 僅かの間に薬指の筋力が低下して支えられなくなってしまっただけでなく、手首を背屈させる筋肉も低下して、フォークやスプーンを口に運ぶ時に肘を浮かせることも 出来なくなってしまったのです。そのうえ二の腕を安定させるためには肩や背中に固定させるための筋力が必要になりますが、 そこにまで筋力低下は及び様々な動作に支障をきたすようになっていました。 SCDは手先を使った巧緻な作業が次第に難しくなります。それは指先の小さな筋力が低下するだけでなく、 その作業を安定し滑らかに進めるために固定する筋肉、そしてそれを更に支える背筋や腹筋、更にはそれを支える 下半身の筋肉にまで影響するようです。

筋力はあっという間に落ちますが、元に戻すには時間と根気がいります。指先などの小さな筋肉になると5本まとめてという ことも出来ず、一本一本意識したリハビリが必要になります。ベッドも起き上がりや立ち上がりに便利ですが、背上げやサイドレール を使った起き上がりは腹筋や背筋などを低下させます。勿論、福祉具なしでは日常生活に大きな支障をきたす事は確かですが、同時に 筋力低下が負の連鎖のように繋がっている事を忘れてはいけないし、それを遅らせ・食い止めるリハビリが重要ではないでしょうか。

今、私の上肢特に手の機能は著しく低下しています。左右とも握力は3キロあるかないかで、手首を背屈する筋力が極端に低下し、 薄っぺらなノートすら持ち上げられなくなっています。背屈する筋肉が弱くなってその筋肉を代償するため、手首を内側に曲げる筋肉を 使っているとマスマス背屈する筋肉が弱くなりました。しかし、内側に曲げる筋肉だけで全てが代償できる筈もなく、その影響は 肩や背筋・腹筋にまで及んでいる事に気づきました。今、私はイメージを使ってそのリハビリに取り組んでいます。そして、 意識して生活動作の中でその筋肉を使うようにしています。

歩行を助ける杖や歩行器については歩行の項で触れます。