S 医師のメール

ここに紹介する文章は、患者会を通して知り合ったSCDの家族さんを介護されている方が、SCDを始めとする神経疾患の リハビリで有名な病院の院長先生に、私のアドバイスを受け入れるかどうかについて相談を持ちかけられ、HPを ご覧になった先生の返信メールを許可を得て、抜粋させてもらったものです。

私は、自分の医師としての経験から、診療において自己決定がいかに大事か身に染みています。 スポーツ傷害で受診した子供たちにも、次の試合に出ることと、今の身体の不都合を治すことと、 どちらを優先するかの決断を迫ったりします。 両方が叶えられないとすると、試合をあきらめれば、どれくらいの期間で治るのか、 一方、試合に出れば、二次的な障害の発生などのリスクがどれくらいあって、 プレーにどれくらい支障が生まれ、その後治療を再開して、 全部でどれくらいの時間がかかるのか、など情報を提供しながら方針を相談します。 しかし、本 人が自分の置かれている立場(状況)を理解して、判断することを できるだけ尊重しようと思っています。

それは、疾患の対処について、医師任せではなく、 自分自身が主体的、能動的、積極的姿勢で一緒に考えることが大切で、 そのことが、結果としての治療成績にも関係すると思うからです。 「人から言われて」とか「仕方ないから」というのではなく、 自分がこうすればこうなると思うから、そのようにやってみるというスタンスで診療に参加すると、 心のありようが態度に、そして、治療効果に影響するということです。 きっと、人の自主性や自立ということともつながっているのだろうと思います。

私としては診療の中で、できるだけご本 人にそういう姿勢を持っていただけるよう 働きかけをしてきたつもりでしたが、不充分でしたね。 この方の基本 的な考え方や行っておられる方向性は完璧だと思います。 おっしゃるように、是非積極的に取り組まれることをお勧めします。 また、どのような変化があったかお聞かせ下さい。 よろしくお願いします。

更に後日のメールでこう書かれています

私はきわめて大切なことを提案されていると思っています。 結局、「自分の身体も、自分の病気も、自分の寿命も、自分の人生も、自分の家族も すべて自分自身のものであり、他人のものではない」 という当たり前のことから、 主体性、自主性、積極性の前向き思考が生まれ、 それが良い回転を生むという構図であろうと思います。