2008.1/1 座位で行うバランス・リハビリ(1)

このリハビリのコツは、正しい動作を自分で再現できるよう、正しい状態を身体、とりわけ足の裏で感じられるよう になるまで繰り返すことが重要です。
リハビリで大切な事は感じる事です。
歩行のような複雑な協調動作では、関係するパーツが別々の動きをしながら、トータルでは整合性のある動きをするようになっています。 普通正常な状態では、そんなことを意識しなくても無意識にそれが出来るようになっています。 それをリハビリによって機能回復するには、協調動作を全身で感じて覚えるしかないと私は思っています。 ですからそれぞれの状態にもよりますが、いきなりたくさんの協調動作を伴う歩行からはじめるのは、危険ですし難しいので 座位で私のいう「感じる」を体得することを勧めます。 だからといって歩くのを止めるのではありません。立位や歩行は今まで通りに続けて下さい。

地面を捉える感覚、重心の位置、重心が移動する感覚を掴むため裸足がお勧めです。 ベッドに腰掛けます。この時のベッドの高さは足の裏が爪先から踵まで万遍無く設置する程度で 膝の角度は90度位になるようにします。膝は腰と平行にします。膝が開くと腰は後ろに引けて、後傾になります。 顎を引いて胸を広げるようにします。背筋を伸ばして胸を張ろうとすると顎を突き出して、両肩を後ろに引いてしまいがちになりますが 顎は寧ろ引いて、肩甲骨を後方に引くのではなく、胸郭を拡げるイメージです。肩や首の力を抜いて、背筋を伸ばし、胸を張ります。 多分、この状態が正しく作れると身体の中心が前に移り、足の裏の前方に重心を感じられます。この時に踵が浮き上がると ダメです。

普段、後傾姿勢が身体に染みついている人は、腹筋と背筋に負担がかかって、プルプルとシンドイと思います。 この状態からゆっくりと腹筋を緩めると腰が後ろに引けます。10秒ほどで又先程の腰を立てて、胸を張った姿勢に 戻します。この状態を身体で感じながら、ゆっくりと交互に繰り返して、 腰を引いた状態と腰を立てた状態の重心の位置を足の裏・腰の位置等全身で 感じられるように毎日繰り返します。正しい姿勢をとること事態が難しいし、その状態を正しく見れる第三者に見てもらう事が 必要かも知れません。胸を張った状態で真っ直ぐに前を見据えます。起立性低血圧や立位で眩暈がする人はその状態で仰け反らないで 首だけを反らせて天井を見ます。

この状態(腰を立てて、胸を張った)から、次に立ち上がります。 上体を前に乗せて、足の裏の前方に重心を感じながら、その重心移動を利用してゆっくり立ち上がります。 立ちあがる前に上体を前に乗せていく動作を繰り返し、重心の移動を感じて下さい。 動作としては極めて短い「あっ」という間の動作ですが、ゆっくりと感じながら行うのがポイントです。 十分に上体が爪先に乗って重心が前に移動すると、立ち上がるのに余計な筋力は不要です。 この時に勢いをつけて、反動で立ち上がるのは禁物です。ゆっくりと重心を膝から下で受け止めて、重心の移動を感じながら 立ちあがって下さい。 この時の足の幅は個人差がありますが肩幅程度でいいでしょう、狭すぎると不安定になります。 立ちあがった時に、上体が前後に揺れたり、ヘッピリ腰になると思います。 腰が引けてる時は重心は踵にのっています。自分の状態を感じるのもリハビリです。 正しい姿勢で立てたら、顎を引いて真っ直ぐに前方を見ます。

次にゆっくりと座ります。 この時、両手を前屈の要領で下に伸ばして、上体を沈めてから腰を下していきます。 それに伴って重心が移動しながら、沈んでいくのを感じて下さい。ドスンと腰を落とすのは禁物です。 これを5回も繰り返すとヘトヘトになると思います。回数よりは緊張を切らさずにどれだけ感じながらゆっくり出来るかがポイントです。

立ち上がりと座りは慎重にしないと危険です。日常生活の中で、立ち上がりや座り込みが問題なくこなせる人でも 紹介した動作を行う時は介助者が必要かもしれません。こまかなニュアンスや注意点は伝えきれませんので 各自の判断と責任で行って下さい。