2007.3/10 リハビリを支えるパートナー

私には、立位の時も座位の時にもどんな動作の時も、上体が後ろに反り返ってしまう特徴がある。 ひらがなの「く」の字を反対にしたような形だ。膝が屈曲し腰を突き出し、上体がのけ反りそのままでは 後ろにひっくり返ってしまうので顎を突き出しバランスを取っていた。 そんな自分の姿を見るのが嫌でたまらなかった。

2年前から訪問リハビリに来ていただいている理学療法士さんの提言を受けて、姿勢の改善に取り組んで、 今ようやく後ろにのけ反った状態と真っ直ぐになった状態の違いが自分で分かるようになった。 私にとってその違いが分かるかどうかは大変重大なことなのです。 何故なら、正しい状態を自分で実感できていないと再現できないからです。 それを見極めることが出来る人の指示に頼ってしか再現できないからです。 最初はその方の指示に従って、身についてしまった悪い状態と正しい状態を繰り返し私の身体で作ってもらいます。 勿論、最初のウチは違いは分かるわけがありません。ただ指示に従って身体を動かしているだけです。 それから毎朝・晩思い出しながら自分で再現します。 1週間後、その状態を私が作ります。又指示に従い直してもらいます。

そんなことを数週間続けていると、正しい状態が再現できていないことだけは、実感できるようになります。 そして2年経ってようやく今、正しい状態に近い状態を自分一人で再現できるようになりました。 つまり自分で修正できることが可能になったのです。 しかし、かといってそれがすぐさま日常生活動作には結びつきません。 何故ならこの段階では意識することでしかその状態を再現できないからです。 つまり無意識下では長年馴染んだ楽な姿勢に戻るからです。

それと私が最も大きいと思っているのは、スタイルを変えるというのは、相当大きな恐怖を伴うからです。 それが苦もなくできている人にとっては想像できないでしょうが、「背筋をまっすぐ伸ばす」「踵から着地する」 「腰を引かない」等々どれ一つをとっても恐怖感を克服し、恐怖のために固くなった筋肉を弛緩させてやらなければならないからです。 果たして、そのためにどれほどの時間と努力を要するか分りませんが、 自分一人でそのの状態を再現できるようになったというのは大きな前進です。

私にこれが出来るということは、他の人にも出来ると思っています。 何故なら「もう一つの病気」でも触れていますが、私には全く感覚神経の反応がないからです。 20年近く前に病気の宣告を受けた時、5年前に再入院した時、そして転院のため検査を行った今回も 神経の伝導速度を調べる科学的検査の結果、感覚神経の反応が全く拾えなかったのです。 つまり手足からは一切の位置情報や触覚情報などが入って来ないのに、身体の歪みや屈曲を何らかの方法で 拾っているのです。そしてそれは以前から出来ていたのではなく、分かるようになったのです。 努力の結果出来るようになったのです。 感覚のない私に出来たことが、ある人に出来ない訳がないと思います。 科学的データに基づいて、あり得ないことが現実に起こりうるのです。

そしてそれは私一人の努力によるものでなく、生理的知識と経験の上に私と同じ目線で同じ方向を見据え、 気の遠くなるような地道な作業に手探りで取り組んでくださるパートナーのような理学療法士さんのお陰です。