病気の経過でも触れましたが、歩くことに異常とも思えるほど体力を要する時がありました。 500メートル進むのに、4回も5回も休憩していました。私には健康な人の数倍以上の体力を要しているように思えました。 椅子に腰掛、背凭れに身体を委ねていても、両肘を肘掛に乗せていてもその体勢を維持するだけで例えようのない 疲労がありました。仰向けに寝転んでいるのが一番楽な姿勢でしたから、会社から帰ると食事の時以外はそうしていました。
私はその症状を二つの難病を抱えた、私にだけ特別な「もの」と考え、 主治医にすらその事を告げず黙っていました。 しかし、HPで同病者の様子を伺ったり、交流会などでお話を聞いていると、そういう症状を訴える方が多いことにびっくりしました。 又、腰痛に悩まされたり筋肉が攣ったり、激痛を伴う方もおられるようです。そして私もまた全ての症状に悩まされました。 幸い私はストレッチのお陰で随分緩和しました。 でも、どうしてそういう症状が起こるのか見当すらつきませんでした。
しかし、代償という機能を知り、代償ゆえに身に付いた 動作の改善に取り組むうちに、私の中で仮説が生まれ、その仮説の細部は兎も角、当たらずとも遠からずのように 思えてきました。
人は最も合理的で効率の良い動作を身につけてきた筈です。 しかし、この病気同様ある要因で、それが適わなくなると代償という機能が働らくことがあります。 代償という機能は時には有意義に作用しますが、時には負に働くと思っています。 歩行は本来踵から着地し、そこで生じた回転運動によって身体を瞬時に前に運びます。 踵からの着地は、非常に不安定で、自分のバランス保持に不安を抱えた私には理屈は解っていても 身体は早い着地を求めベタ足の着地になります。そして慎重に・用心深くと思えば思うほど、着地はベタ足に近くなります。 ベタ足からの着地は、回転運動が利用できませんから、素早く体重を前に運ぶためには(重心は後ろにあるのでそのままだと 転倒してしまいます)普通の人が使わなくてもいい過剰な筋力を使う事になります。
これが私の場合の疲労の原因であり、過剰な上体の使い方に繋がっているようです。 それが更なる代償を生み、負の連鎖が始まったように思います。 腰痛も「後傾」という腰を後ろに引いた脳梗塞の方によく見られる代償によるものではないかと思っています。
勿論、踵からの着地だけが歩行の全てではないので、それだけで歩行が安定したものにならないのは言うまでもありません。